QC七つ道具の要点とひっかけ(QC検定3級 論点テキスト)
QC検定3級の手法分野のうち、「QC七つ道具」にあたる7論点を、要点50本・ひっかけ27本・式3本にまとめました。
最終更新:2026年10月4日
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このページの論点
グラフ(棒・折れ線・円・帯)
棒・折れ線・円・帯の各グラフの用途と、グラフ作成上の注意を扱う論点。何を見たいかでグラフの種類を選ぶ。
要点
- 折れ線グラフは、時間の経過や測定順序に伴うデータの変化の傾向を、点を線でつないで表す。
- 円グラフは、全体を100%として、各項目の構成比率を扇形の面積で表す。
- 棒グラフは、棒の長さによって複数の項目間の数量の大小を比較するのに適している。
- 帯グラフは、年ごとなど複数の対象の内訳構成比を横並びの帯で表し、割合の変化を比較する。
- グラフには表題・単位・出所などを明記し、データの種類や目的に応じて適切な種類を選ぶ。
ひっかけ
- 棒グラフだけで、あらゆるデータを正しく表現できるわけではない。目的に応じてグラフを選ぶ。
- 円グラフは内訳の割合、帯グラフは内訳の時系列比較に使う。時系列の推移そのものは折れ線グラフで見る。
- 点の散らばりで二つの特性値の対応を見るのは散布図で、折れ線グラフではない。
パレート図
パレート図の目的・作り方・読み方と、重点指向の考え方を扱う論点。累積比率の計算がよく問われる。
要点
- パレート図は、不適合項目などを件数や金額の大きい順に棒グラフで並べ、累積比率の折れ線を添えた図である。
- 目的は、少数の重要項目を明らかにして、改善の優先順位(重点指向)を決めることである。
- 横軸には不良項目などの分類項目を、件数や金額の大きい順に並べる。
- 重点指向は、影響の大きい少数の項目に、限られた改善の資源や労力を集中させる考え方である。
- A:50件、B:30件、C:15件、D:5件(合計100件)なら、上位2項目A・Bの累積比率は80件÷100件=80%である。
- A:120件、合計200件なら、最上位のAのみの累積比率は120/200=60.0%である。
- 件数でなく損失金額で描き直すと重点項目の順位が入れ替わることがある。目的に応じて評価尺度を選ぶ。
- 累積比率の折れ線が序盤で急に立ち上がるなら、少数の項目が全体の大部分を占め、対策効果が大きいと読める。
- 件数の少ない項目をまとめた「その他」は、グラフの最後(右端)に置く。
ひっかけ
- 件数でも金額でもパレート図は作れる。「金額でしか作れない」「単位変換が必須」は誤りである。
- 「その他」は先頭に置かず、集計からも除外しない。内訳が異なる複数の要因を含むため、最後に置く。
- 他の図と取り違えない。分布の形はヒストグラム、時系列の変化は管理図、二つの特性の相関は散布図で見る。
- A・B・Cの3項目までの累積比率は95%、Aのみは50%である。上位2項目の80%と取り違えない。
- 累積比率の折れ線に、標準偏差・相関係数・工程能力指数は使わない。
式
- 累積比率累積比率=上位項目の件数の合計÷合計件数上位から順に足して合計件数で割る。
特性要因図
特性要因図の別名・作り方・4M・活用上の注意を扱う論点。要因の整理と掘り下げの手順が問われる。
要点
- 特性要因図は、魚の骨図(フィッシュボーン図)や石川ダイアグラムとも呼ばれる。
- 目的は、特性(結果)に影響する要因を体系的に整理し、原因の見落としを防ぐことである。
- 背骨に向けて書く大骨は、まず要因の大分類とする。個々の具体的な原因は、中骨・小骨の段階で書き込む。
- 大骨の分類によく使う4Mは、作業者(Man)・設備(Machine)・材料(Material)・方法(Method)である。
- 「なぜそうなるのか」を繰り返し問い、大骨から中骨・小骨へ具体的な要因を掘り下げていく。
- 要因の洗い出しは、関係者を集めてブレーンストーミングで自由に意見を出し合う方法がよく使われる。
- 一つの図には一つの特性(結果)だけを取り上げ、複数の特性を混在させない。
- 完成後は、影響が大きいと考えられる要因に印をつけ、重点的に検証・対策する。
ひっかけ
- 大骨には対策案を書かない。大骨には要因の分類を書き、対策案は要因を掘り下げた後で検討する。
- 4MをPDCA・SWOT・QCDSと取り違えない。PDCAはマネジメントサイクル、SWOTは経営分析、QCDSは管理項目の枠組みである。
- 特性要因図は数値データがなくても作成できる。小骨まで掘り下げた要因も、対策検討の対象である。
- パレート図・ヒストグラム・レーダーチャートはいずれも別の図法で、特性要因図の別名ではない。
チェックシート
チェックシートの2種類(記録用・点検用)と、目的・様式設計の考え方を扱う論点。
要点
- チェックシートは、発生状況を記録する記録用と、作業や点検の抜け漏れを防ぐ点検用の2種類である。
- 目的は、項目を定めた用紙に印をつけるだけで、データの収集や確認を簡単かつ正確に行えるようにすることである。
- 点検用の例は、機械の始業前点検で確認項目を列挙し、確認済みの項目に印をつけていく用紙である。
- 記録用の例は、不良項目ごとに欄を設け、発生のたびに正の字などで数を記録していく用紙である。
- 様式は、誰が記入しても同じ基準で記入できるよう、項目や記入方法をあらかじめ明確に定める。
- チェックシートで集めた不良項目別のデータを、件数の多い順に並べて図示するとパレート図が得られる。
ひっかけ
- 作業手順の実施漏れを防ぐ確認欄や出荷前の梱包点検は点検用の例で、記録用ではない。
- 層別・相関・累積は、チェックシートの分類名ではない。分類は記録用と点検用である。
- 累積比率の折れ線図はパレート図、点で表す図は散布図、平均値の推移の図は管理図で、点検用チェックシートではない。
ヒストグラム
ヒストグラムの目的・作り方、区間幅の計算、二山型など代表的な形の読み方を扱う論点。
要点
- 計量値データを区間に分けて棒状に表し、分布の中心位置・ばらつき・山の形状を視覚的に把握する。
- 作り方は、データの範囲を求め、区間の数と幅を決め、各区間の度数を数えて柱状に表す。
- 区間の数が多すぎると、データの少ない区間が目立ち凹凸の多い不自然な形になる。
- 区間の幅は、データの範囲をおおよその区間数で割り、測定単位を考慮して決める。
- 一般型は、特別な異常要因がない安定した工程で得られやすい、中央が高く左右対称に裾を引く形である。
- 二山型は、性質の異なる二つの集団が混ざっているサイン。条件で層別して描き直すと原因を切り分けやすい。
- 絶壁型は、規格外れの製品を選別して除外した後のデータで生じやすい。
- 離れ小島型は、測定の誤りや異常な条件の混入のサインで、まず離れた区間のデータの原因を個別に調査する。
- 歯抜け型は、測定値の丸め方(測定の最小単位)と区間の幅が整合していないときに生じやすい。
- 規格の上限・下限の線を書き入れ、分布の広がりが規格の範囲内に収まっているかを確認する。
ひっかけ
- 離れ小島を、無条件に平均計算へ含めたり、原因を決めつけて済ませたり、区間の幅を広げてごまかしたりしてはならない。
- 二山型の典型的な原因は、目盛りの読み違いや平均値のずれ、規格の設定ではない。集団の混在である。
- 一般型は、異常の存在や器具の破損を示す形ではない。規格値との比較もできる。
- 絶壁型の原因は、異なる工程のデータの混在や単位の誤記、器具の破損ではない。
- 目的を取り違えない。重点項目の把握はパレート図、時間による変化は折れ線グラフ、相関は散布図である。
式
- 区間の幅(クラス幅)区間の幅=レンジ÷区間の数レンジ45、区間数9なら45/9=5.0。逆に割らない。
- 相対度数(%)相対度数=度数÷全体のデータ数×100度数12、全体80なら12/80×100=15.0%。
散布図
散布図の見方(正の相関・負の相関・無相関)、層別散布図、外れ点の扱いを扱う論点。
要点
- 散布図は、対になった二つの特性値を横軸・縦軸にとって点を打ち、相関関係の有無を視覚的に確認する図である。
- 点が右上がりで、一方が増えると他方も増えるなら正の相関である。
- 点が右下がりで、一方が増えると他方が減るなら負の相関である。
- 点がばらばらで規則性が見られない場合は、無相関という。
- 全体では相関が弱く見えても、作業者別などに層別すると、集団ごとに強い相関が現れることがある。
- 外れ点は、測定条件の違いや記録の誤りなどの原因を確認したうえで、扱いを検討する。
- 散布図は、二つの特性値の関係の有無とともに、その強さや向きを確認するために使う。
ひっかけ
- 外れ点を、原因を確認せずに除外したり、特定の測定者のせいと断定したりしてはならない。
- 項目の一覧化はチェックシート、重点項目の把握はパレート図、分布の形の把握はヒストグラムの役割で、散布図ではない。
- 散布図にも層別は適用できる。層別散布図は、全体では見えない要因ごとの関係の違いを明らかにする。
層別
層別の定義、切り口の選び方、他のQC七つ道具との組み合わせ方を扱う論点。
要点
- 層別は、データを機械別・作業者別・原材料ロット別・時間帯別などの切り口で分け、層ごとの特徴を比較する考え方である。
- 切り口は、データの性質に影響していると考えられる要因(機械・作業者・材料・時間帯など)に基づいて選ぶ。
- 層別は単独の図法ではなく考え方である。パレート図・ヒストグラム・散布図などを切り口別に作り直して使う。
- 二山型のヒストグラムを機械別に層別して各機械が一つの山になれば、二山型は機械Aと機械Bの違いの混在が原因だったとわかる。
- 全体を一つにまとめただけでは見えない違いや原因を、層別によって明らかにする。
ひっかけ
- 切り口を、無作為に選んだり、結果の良し悪しで分けたり、過去の実績で選んだりしない。原因の見落としにつながる。
- 担当者の好みの色や縦軸の単位、報告書作成日の天気は、データの性質に直接影響しないので切り口にならない。
- 層別は管理図の記入方法を定める手法ではなく、他の道具を不要にもしない。異常が起きた後だけの手法でもない。
- 機械別の違いを測定誤差として無視したり、層別を不要と判断したりしてはならない。
ほかのページ
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関連ページ
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出典と作り方
この読み物は、日本規格協会「品質管理検定レベル表」(Ver.20150130.2)の項目の順に、アプリ「QCウカール」の収録問題の解説をもとにアプリ製薬が作成したものです。公式の文章の転載ではありません。 問題文・選択肢は載せていません。
- 品質管理検定レベル表 3級(https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/qc/md_4609.pdf)
- 品質管理検定レベル表 4級(https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/qc/md_4610.pdf)