管理図の要点とひっかけ(QC検定3級 論点テキスト)
QC検定3級の手法分野のうち、「管理図」にあたる3論点を、要点25本・ひっかけ12本・式8本にまとめました。
最終更新:2026年10月4日
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このページの論点
管理図の考え方・使い方
管理図の目的、管理限界線と規格値の違い、連・傾向など異常の見方、管理図の使い分けを扱う論点。
要点
- 管理図は、データを時系列に打点し、工程が統計的管理状態(安定状態)にあるかを判定する。
- 管理図は、ばらつきを避けられない偶然原因と見逃せない異常原因とに区別し、異常原因を発見・除去するために使う。
- 管理限界線(UCL・LCL)は、工程のデータの統計量から3σの考え方で計算する限界である。
- 中心線はCLと表記し、通常はプロットするデータの平均値の位置に引く。
- 点が管理限界線の外に出たら、工程に異常原因が働いている可能性が高いと判断し、原因を調査・除去する。
- 連(ラン)は中心線の片側に点が連続して並ぶ現象で、限界線内でも一定数以上続けば工程変化の兆候とみなす。
- 傾向(トレンド)は点が一定方向に連続して上昇・下降する現象で、限界線の内側でも工程条件が変化している兆候である。
- X-R管理図は長さや重さなどの計量値を対象とし、p管理図・np管理図は不適合品率・不適合品数の計数値を対象とする。
- 統計的管理状態とは、打点が限界線の内側にランダムに分布し、連・傾向・周期性などのくせがない状態である。
ひっかけ
- 管理限界線と規格値を混同しない。管理限界線は工程のデータから計算した線、規格値は製品の合否を決める基準である。
- 打点が中心線の真上にほとんど並ぶ状態は安定ではない。ランダムとは言えず、注意すべき「くせ」である。
- 点の一部が管理限界線の外に出ているのに、数が少ないから安定している、とは判断できない。
- 管理図は工程の安定性の判定に使う。重点項目の把握はパレート図、分布の形はヒストグラム、データ収集はチェックシートの役割である。
X-R管理図
X管理図とR管理図の役割、管理限界線の計算(A2・D4)、R管理図のLCLの扱いを扱う論点。
要点
- X管理図は、群ごとの平均値の変化を打点し、工程の中心位置の変化を把握する。
- R管理図は、群ごとの範囲Rを打点し、群内のばらつきの大きさが安定しているかを把握する。
- 群分けは、群内をできるだけ均一な条件(偶然原因のみ)にして、群間の違いを管理図上で把握できるようにする。
- X管理図の中心線CLは、群平均Xをさらに平均した全平均Xである。30, 34, 28, 32, 26なら150/5=30.0になる。
- n=4、X=70.0、R=10.0、A2=0.729なら、X管理図のUCL=70.0+7.29=77.29である。
- n=2、X=40.0、R=5.0、A2=1.880なら、X管理図のLCL=40.0−9.4=30.6である。
- n=5、R=8.0、D4=2.114なら、R管理図のUCL=2.114×8.0=16.912で、約16.91である。
- R管理図のLCLは、n≤6ではD3の値が係数表で定められていない(「—」)ため、特に設定しない。
ひっかけ
- A2とD4を取り違えない。X管理図の限界線にはA2、R管理図の上方管理限界線にはD4を使う。
- R管理図のLCLに、UCLの式の流用・規格の下限値・n=7の係数D3の流用を使わない。n≤6ならLCLは設けない。
- LCLはUCLと符号が逆なだけである。Xに対し、UCLは足し、LCLは引く。
- 群内に作業者や設備条件の異なるデータを混ぜてはならない。群内は均一にし、群間の違いを見る。
- 不適合品率はp管理図、不適合品数はnp管理図が扱う。X管理図の役割ではない。
式
- X管理図の中心線CL=X(群平均Xの平均)
- X管理図の上方管理限界線UCL=X+A2×Rn=4のときA2=0.729。
- X管理図の下方管理限界線LCL=X−A2×Rn=2のときA2=1.880。
- R管理図の上方管理限界線UCL=D4×Rn=5のときD4=2.114。
p管理図・np管理図
p管理図とnp管理図の違い、中心線と上方管理限界線の計算を扱う論点。群の大きさnが一定かどうかで使い分ける。
要点
- p管理図は、群ごとの不適合品率pを打点する計数値の管理図で、群の大きさが一定でない場合にも使える。
- np管理図は、群の大きさnを一定にして、群ごとの不適合品数npを打点する管理図である。
- p管理図のpは不適合品率(比率)、np管理図のnpは不適合品数(個数)を表すと覚える。
- p管理図のCLは、不適合品数の合計÷検査数の合計である。200個÷4000個=0.05=5.0%になる。
- np管理図のCLは、n×pである。n=50、p=0.04なら50×0.04=2.0個になる。
- n=100、p=0.2のnp管理図では、UCL=20+3×4=32個になる。
- p=0.1、n=225のp管理図では、UCL=0.1+3×0.02=0.16=16.0%になる。
- p管理図はnが変わるたびに限界線の幅が変わる。np管理図はnが一定なので変わらない。
ひっかけ
- p管理図が打点するのは群ごとの不適合品率で、平均値ではない。計数値を対象とする。
- pは不適合品数÷検査数である。100倍し忘れたり、分子分母を逆にしたり、群数で割ったりしない。
- np管理図のUCLは3σで求める。2σと取り違えたり、npを足し忘れたりしない。
式
- p管理図の中心線CL=p=不適合品数の合計÷検査数の合計
- np管理図の中心線CL=np
- np管理図の上方管理限界線UCL=np+3√(np(1−p))√の中身を先に計算する。
- p管理図の上方管理限界線UCL=p+3√(p(1−p)/n)
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出典と作り方
この読み物は、日本規格協会「品質管理検定レベル表」(Ver.20150130.2)の項目の順に、アプリ「QCウカール」の収録問題の解説をもとにアプリ製薬が作成したものです。公式の文章の転載ではありません。 問題文・選択肢は載せていません。
- 品質管理検定レベル表 3級(https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/qc/md_4609.pdf)
- 品質管理検定レベル表 4級(https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/qc/md_4610.pdf)