品質保証:新製品開発(QFD・DR・FMEA・FTA)の要点とひっかけ(QC検定3級 論点テキスト)
QC検定3級の実践分野のうち、「品質保証:新製品開発(QFD・DR・FMEA・FTA)」にあたる7論点を、要点37本・ひっかけ19本にまとめました。
最終更新:2026年10月4日
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このページの論点
品質保証体系図・結果とプロセスの保証・保証と補償
結果の保証とプロセスによる保証の違い、保証と補償の区別、各段階の保証活動を一覧にする品質保証体系図が問われる論点。
要点
- 結果の保証は、完成した製品を検査して良品・不良品を選別することで品質を確保する考え方である。
- プロセスによる保証は、工程の各段階に管理項目を定めて不良を未然に防ぎ、品質を作り込む考え方である。
- 保証は、製品が要求される機能や性能を満たしていることを客観的に確認し、使用者に伝えることである。
- 補償は、不具合が生じた際に、金銭や代替品などで埋め合わせをする行為である。
- 品質保証体系図は、企画から製造・販売・アフターサービスまでの各段階で、どの部門がどの保証活動を行うかを時系列と部門の両軸で一覧化した図である。
- 品質保証体系図の目的は、保証活動を部門横断で可視化して責任の所在を明確にし、抜けや重複を防ぐことである。
- 出荷検査は結果の保証、工程内に管理点を設けて不良の発生自体を防ぐ活動はプロセスによる保証にあたる。
ひっかけ
- 結果の保証とプロセスによる保証を逆にしない。結果の保証は検査で選別、プロセスによる保証は工程で作り込む。
- 保証と補償を取り違えない。保証は要求を満たすことを確認して伝えること、補償は不具合時に金銭や代替品で埋め合わせることである。
- 品質保証体系図とFMEAを取り違えない。故障モードの数値評価はFMEA、体系図は部門横断で保証活動を一覧にした図である。
品質機能展開(QFD)
顧客の要求品質を品質特性へ変換する品質機能展開(QFD)と、その中心となる品質表、設計初期に使う効果が問われる論点。
要点
- QFDは、顧客の要求品質を品質特性へ段階的に変換し、二元表で関連の強さを整理する手法である。
- 品質表は、要求品質展開表と品質特性展開表を行と列に配置した二元表で、交点に関連の強さを記号などで表す。
- QFDを設計の初期段階で用いると、顧客の要求を早く仕様へ反映でき、後工程での仕様変更や手戻りを減らせる。
- QFDは、顧客の声を上流の設計段階から仕様に反映し、開発期間の短縮や品質の作り込みにつなげる手法である。
ひっかけ
- QFDと他の手法を取り違えない。原因を魚の骨状に整理するのは特性要因図、故障モードの評価はFMEA、樹形図でさかのぼるのはFTAである。
- 品質表は要求品質と品質特性を対応づける二元表である。管理項目・管理水準を一覧化するのはQC工程図で、別物である。
- QFDは検査や事後の調査、苦情対応のための手法ではない。問題が起きた後ではなく、上流で作り込むための手法である。
デザインレビュー(DR)
開発の節目で関連部門が設計内容を審査するデザインレビュー(DR)の目的、参加者、実施時期、早期実施の利点が問われる論点。
要点
- DRは、各開発段階の節目で関連部門の担当者が集まって設計内容を審査し、次段階に進めてよいかを判断する活動である。
- DRには設計部門だけでなく、製造・品質保証・購買・営業など関連部門の担当者が参加し、多面的な視点で問題点を洗い出す。
- DRは、企画・基本設計・詳細設計・試作評価など、開発の複数の節目でそのつど実施される。
- 複数の部門が参加するのは、各部門の専門的な視点から問題点を洗い出し、量産開始後や市場でのトラブルを未然に防ぐためである。
- DRを早い段階で行い問題を早く発見できれば、手直しや対策にかかる費用・工数を大幅に抑えられる。
ひっかけ
- DRは試作評価後の最終段階に設計者が自己確認するだけのものでも、苦情後や廃棄段階に限るものでもない。開発の複数の節目でそのつど実施する。
- DRは、設計部門の責任を他部門に分散して軽くするためのものではない。関連部門が専門的な立場から多面的に審査する。
FMEA
故障モードを洗い出して重要度を評価するFMEAの目的、評価の考え方、FTAとの違い、設計FMEAと工程FMEAが問われる論点。
要点
- FMEAは、設計や工程に潜在する故障モードを洗い出し、発生頻度・影響度・検出難易度などから評点化して重要度を明らかにする手法である。
- FMEAは、構成要素の故障モードから上位への影響を積み上げて評価するボトムアップの手法である。
- FMEAは、量産開始前に故障モードをあらかじめ洗い出し、重要度の高いものから対策する、未然防止のための手法である。
- FMEAでは、発生頻度・影響の大きさ・検出のしにくさを評点化して組み合わせ、重要度を算出して対策の優先順位を決める。
- FMEAには、設計に潜在する故障モードを対象とする設計FMEAと、工程に潜在する故障モードを対象とする工程FMEAがある。
ひっかけ
- FMEAは下から積み上げ、FTAは上からさかのぼる。FTAは望ましくないトップ事象を起点に原因を樹形図でさかのぼる。向きを逆にしない。
- FMEAは量産後の原因究明や苦情対応、再検査の判定だけに用いる手法ではない。量産前の未然防止が主な目的である。
- FMEAの重要度は単一の観点では決めない。発生頻度だけ、影響だけ、勘だけに頼らず、複数の評点を組み合わせる。
FTA
トップ事象から原因をさかのぼるFTAの考え方、ANDゲートとORゲートの意味、FMEAと組み合わせる意義が問われる論点。
要点
- FTAは、発生させたくないトップ事象を頂点に置き、AND・OR等の論理記号を使って原因を樹形図状に展開する手法である。
- FTAは、どのような原因の組合せで事象が発生しうるかを、体系的にさかのぼって解析する。
- ANDゲートは下位の事象がすべて重なったときに上位の事象が起こることを、ORゲートはいずれか一つでも起これば上位の事象が起こることを表す。
- FTAは、起こってほしくない重大な事故や故障をあらかじめ想定し、発生経路を解析して対策すべき原因を特定するために用いる。
- 構成要素から積み上げるFMEAと重大事象からさかのぼるFTAを組み合わせると、両方向から原因の見落としを減らせる。
ひっかけ
- ANDは全部そろって発生、ORはどれか一つで発生である。両者を混同すると発生経路の解析結果を誤る。
- FTAは上からさかのぼる手法で、FMEAは構成要素の故障モードから影響を積み上げる手法である。QAネットワークは工程と管理点を対応づけた表である。
- FTAは、顧客の要求品質を二元表で品質特性へ変換する手法ではない。それはQFDである。
QAネットワーク(保証の網)
想定されるトラブルと業務の各段階を対応づけ、保証の抜け漏れを評価するQAネットワークの目的と表の構成が問われる論点。
要点
- QAネットワークは、想定されるトラブル・不具合を行に配置したマトリクスで、保証活動に抜け漏れがないかを事前に評価・確認する表である。
- QAネットワークは、トラブルと業務の各段階を対応づけ、交点で保証の実施状況を評価して、弱点となっている工程を一覧で可視化する。
- QAネットワークの交点には、その段階で不具合をどの程度保証できているかを評点などで記入し、保証の網の目に抜けがないかを評価する。
- QAネットワークは、不具合とそれを防止・検出する管理点との対応を一覧化し、保証の過不足を確認して強化すべき管理点を明らかにする。
ひっかけ
- 要求品質を品質特性に変換する二元表はQFD、故障モードを発生頻度・影響度・検出難易度で評価する表はFMEAである。QAネットワークではない。
- 行と列が品質特性や故障モードになる表は、QFDやFMEAの表である。QAネットワークの行は想定されるトラブル・不具合である。
製品安全・PL・市場トラブル・苦情処理
製品ライフサイクル全体の品質保証、製品安全の対策順序、PL法、市場トラブル・苦情の初動と再発防止が問われる論点。
要点
- 品質保証は、商品企画から設計、生産、販売、使用、廃棄・リサイクルに至る製品ライフサイクル全体の各段階で、継続的に品質を確保する活動である。
- 製品安全では、設計上の対策で危険源を除去・低減し、次に保護対策、最後に警告表示の順で対策を講じる。
- あらゆる対策を講じても、製品事故のリスクを完全にゼロにはできない点を認識しておく。
- 製造物責任(PL法)は、製造業者に故意・過失がなくても、製造物の欠陥で損害が生じれば賠償責任を負う可能性がある制度である。
- PL法では、消費者が製造業者の過失を立証する必要がない点に特徴がある。
- 市場の苦情には、内容を正確に把握して応急処置を行い、原因を調査して再発防止策を講じ、必要に応じて他製品へ水平展開する。
- 苦情の初動では、発生日時・状況・現品の有無などを速やかに記録し、顧客への一次回答を行ってから詳細調査に着手する。
ひっかけ
- 品質保証は出荷検査や製造工程だけで完結しない。企画・設計から廃棄・リサイクルまでの全段階が対象である。
- 製品安全は警告表示だけで済ませない。まず設計上の対策で危険源を除去・低減し、警告表示は最後の手段である。
- 苦情対応は、原因究明が済むまで顧客連絡を待つのではない。まず記録して一次回答を行い、そのうえで詳細調査に進む。
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出典と作り方
この読み物は、日本規格協会「品質管理検定レベル表」(Ver.20150130.2)の項目の順に、アプリ「QCウカール」の収録問題の解説をもとにアプリ製薬が作成したものです。公式の文章の転載ではありません。 問題文・選択肢は載せていません。
- 品質管理検定レベル表 3級(https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/qc/md_4609.pdf)
- 品質管理検定レベル表 4級(https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/qc/md_4610.pdf)